側弯症コルセットをしても学校生活を無事に送れる話
側弯症(そくわん症)と診断され、コルセットを装着することになったご本人や家族の方。
今、こんな不安があるのではないでしょうか?
- 学校のクラスメイトや友達に受け入れられるか不安だ。
- いじめられるのではないかなど心配がつきない。
本記事では以下の内容をお伝えします。
- コルセットについてクラスメイトや友達の理解を得る3つの方法
- コルセットの装着がいじめに繋がるのではない【大事なのは隠さないこと】
わたしは、小学4年生で側弯症が発覚し、ほぼ24時間コルセット生活を小学4年〜高校3年までの8年間送ってきました。
完全にコルセットから卒業できたのは大学4年生のときなので、コルセットとは12年の付き合いがあります。
私自身、出来上がったコルセットを初めて見たときの感想は
「サイボーグみたい」
でした。
こんなものを24時間装着する自分を想像すると恐ろしかったです。
体はロボットのようにしか動かないし、明らかに動きが不自然。
不安な気持ちが痛いほどわかります。
どのようにコルセットと付き合っていくか、体験から得たことを共有させていただきます。
■コルセットについてクラスメイトや友達の理解を得る3つの方法
コルセットの装着は、側弯症の進行を防ぐために重要な手段のひとつです。
お風呂と体育の授業以外は常に装着する生活となります。
そのため、共同生活をする環境においては、周囲の理解を得ることが大切です。
方法1:担任の先生にのみ話す
担任の先生に、側弯症の治療でコルセットをして学校生活を送ること、体育の授業にはコルセットを外して他の人と変わりなく体を動かせること、などを話します。
もし、クラスメイトにコルセットのことを知られたくない、という不安があるようでしたら、無理する必要はないです。
先生にその旨を伝えましょう。
担任の先生に話す際は、母親や父親と一緒に会話できるといいと思います。
・問題点
この方法の問題点は、いずれ友達が異変に気がつくということです。
コルセットの装着を隠し続けることは、不可能に近いです。
授業中のまっすぐな姿勢。
触られるのが嫌で、友達とスキンシップを急にしなくなったら友達は不思議に思います。
体育の授業で、特別に別の場所で着替えたら友達は異変に気がつくからです。
方法2:仲のいい友達に話してみる
仲のいい友達に話すのは勇気のいることだと思います。
いつもと様子が違うなと感じている友達は、敵ではありません。
味方になってくれます。
体育の授業の着替えに一緒についてきてくれたり、思いきりスキンシップしてきて突き指しそうになった友達と笑い合ったり、
受け入れてくれる友達がひとりでもいると心強いです。
・問題点
この方法の問題点は、自分自身の一歩踏みだす勇気を持てるかどうかです。
側弯症の体験談で、明るく、クラスメイトにコルセット触らせてみたり、質問に答えたりした、というエピソードを見かけます。
わたしはそうではありませんでした。
話してみようと思ってから、実際に話せるまでわたしも時間がかかりました。
恥ずかしかったし、怖かったのです。
無理しないでください。
いつか話せる日まで焦らないでください。
方法3:クラスメイトに説明する場を設ける
担任の先生に側弯症の話、コルセットをつけて生活することになったことを、朝の会や帰りの会などでクラスメイト全員に話してもらいます。
可能であれば、本人も前に出て話すのもいいでしょう。
わたしの場合は、小学校と中学校で側弯症でコルセットを装着していることを先生からクラスに話してもらいました。
クラスの前に出て、コルセットを見せる勇気まではありませんでしたが…
隠しごとをしてない、みんなに言えたということは、勇気になりました。
小学生でさえ、側弯症とは?よくわからないながらも、理解しようと努めてくれたのを覚えています。
・問題点
この方法の問題点というか気をつけるべきことは、本人の意思とは無関係に親と先生で話を進めてはいけないということです。
本人はまだクラスメイトに公表する決意を持てていないのにも関わらず、話を進めるのはやめてください。
勝手に周りにバラされた、という悲しみは心に深い傷を与えます。
本人と相談した上で、どのような方法をとるか決めることが大切です。
■コルセットの装着がいじめに繋がるのではない【大事なのは隠さないこと】
コルセットが原因でいじめられたことはないです。
人は未知のものに恐怖を感じます。
未知のものを恐れることが、自分の身を潜在的な脅威から守ろうとする人間の本能であるそうです。
クラスメイトからコルセットをネタにしたいじめは小中高通してありませんでした。
クラスメイトに公表したことは、いじめにつながるのではなく、
むしろ、未知のものへの恐怖からくる差別や偏見を未然に防ぐ役割を担っていたのではないかと考えています。